エニアグラムを知識として知ってるだけで、実際の人間関係であったり、ビジネスの現場で使いこなせていない人もおられるようです。
ただタイプ診断だけして終わり、という感じですね。
そんな当て物のような占いと同じに使い方をしていたらとてももったいないです。
エニアグラムを「知る」段階から「セールスに使いこなす」段階にたどり着くために必要なことを、この記事ではお話していこうと思います。
エニアグラムの基礎知識
まずはエニアグラムの知識からカンタンにおさらいしておきたいと思います。
エニアグラムの発祥は明らかにはされていませんが「エニア」っていうのは、ギリシャ語で「9」という意味です。
数秘術の創始者としてギリシャのピタゴラスが有名ですが、数を扱うだけにピタゴラス一派から生み出されたものかもしれません。
その後、どういう経路で伝わったかは不明ですが、イスラム教のスーフィー派というグループでエニアグラムが使われてきたといわれています。
グルジェフ
最初、歴史の表舞台に出てきたのは、1910年代、ロシア人の神秘思想家として知られるゲオルギー・イワノヴィッチ・グルジェフが門下生に教えていたとされる記録です。
グルジェフはイスラム教スーフィー派の人と接触したと言われています。
イチャーソ
そこのグルジェフから学んだのが、オスカー・イチャーソです。
イチャーソはグルジェフを学んでからさらに研究を進めていって1950年代半ばに9つの性格類型として確立しました。
今はエニアグラムというと9つの性格分類のことでしょと認識されてしますが、その原型を作ったのがオスカー・イチャーソです。
この人はボリビア出身の神秘思想家として知られています。
このイチャーソの研究所にいろんな心理学とかキリスト教関係者の人が集まってきていました。
そして、このエニアグラムがそういった関係者の人たちに伝わって、アメリカに伝わっていきます。
ドン・リソ
アメリカで現代心理学と融合させるのがドン・リソです。
リソはイエズス会の心理学者だったので、心理学やキリスト教関係者経由でエニアグラムを学んだのでしょう。
途中からラス・ハドソンも加わって、このエニアグラムの心理学としての研究がさらに進んでいきました。
学問なので宗教的な教義と言ったものではなく、人間心理としてこのエニアグラムを研究しているので、ビジネスであったり教育であったり、いろんな分野でエニアグラムは現実社会で応用されています。
そこからまた複数の流派に分かれていろんな解釈がされているわけですが、大筋としては以上の系譜をたどります。
エニアグラムセールスでは、そういった人間心理を理解することで、セールスの現場で使っていくためのノウハウを学ぶことができます。
エニアグラムの9つのタイプ
有名なエニアグラムの9つのタイプは大きく3つのグループに分かれます。
それが本能グループ、感情グループ、思考グループです。
本能グループは、タイプ8の挑戦する人、タイプ9の平和を好む人、タイプ1の完璧を求める人。
感情グループは、タイプ2の助ける人、タイプ3の達成する人、タイプ4の個性を求める人。
思考グループは、タイプ5の観察する人、タイプ6の信頼を求める人、タイプ7の熱中する人。
こういった形でグループが大きく3つに分かれています。
価値観とは?
これらのグループやタイプによって何が違うのかっていうと、要するに価値観が違うんですね。
価値観というのは、優先順位であったり、判断基準になるものです。
何を大事に生きているかによって、誰と時間を過ごすのか、それから何にお金を使うのか、どんな仕事をするのか、そういったことが全部、変わってくるということですね。
人によってそれらの違いがあることを正しく理解することで、ムダなセールスをなくし、セールスの精度をあげることができるというのがエニアグラムセールスです。
エニアグラムの細かいマニアックな研究は頭のいい研究者がいろいろ議論をしながら進めています。
ドン・リソ、ラス・ハドソンの後も、まあこう考えた方がいいんじゃないか、ああ考えた方がいいじゃないかっていう、いろんな流派が存在します。
セールスに使うためには解釈の余地をあえて残しておこう
もともとですね、この起源が分かっていないということもあるし、このグルジェフがかなり抽象的な講義内容しか残しておらず、どう解釈するのかの解釈に幅があるんですね。
グルジェフはあえて解釈に余地を残して、人間心理の本質に目がいくような講義をしたとも言われています。
セールスという面から考えると、固定化されるよりもやはり現場に出ないと分からないことがあるので、タイプを決め込んだりするよりも、目の前の人の気持ちに真摯に向き合うほうがいいですよね。
ですから、エニアグラムをセールスとして活用するのであれば、学術的な研究はそこそこにしておいて、あえて解釈の余地を残しておくほうがいいわけです。
どの解釈が正しいとかの議論や学問的な研究についてはそういった専門家に任せておいて、エニアグラムをセールスで使うのであれば、結果としてセールスで売上が上がればいい、成約率が上がればいい、クレームが減ればいい。
まあ、そういうことですね。
エニアグラムセールスで学ぶ目的
エニアグラムセールスの目的というのは、まずは己の価値観を言語化するということですね。
自分は何を大事に生きている人間なのか、これを言語化するのがエニアグラムセールスで得られることです。
セールスはほんとに勉強になります。
自分自身にも真剣に向き合うし、お客様にも真剣に向き合うので、そこらへんの心理学者や心理カウンセラーよりもよっぽど体感として人間心理を理解してると思いますね。
人の話を聞けない心理カウンセラーとかって意外に多いですし(笑)
すみません、脱線しました。
それからですね、他者、他の人の価値観を理解するということです。
相性のいいお客さんとか相性の良くないお客さんとか、そういう言い方をすると思います。
この原因は価値観が違うからコミュニケーションがうまく成り立っていない場合が多いです。
人間関係にはやっぱり好き嫌いの相性というのがあるんですが、そういう感情はですね、全てこの価値観に基づいて生まれているためです。
価値観がすべてを決める
価値観が変わるとビジネスの全てが変わっていきます。
ビジネス設計自体が変わりますので、商品開発、マーケティング、セールストークのすべてがこのエニアグラムの理解によって変わっていきます。
不思議なくらいに自分の軸に結びついていく快感を得ることができます。
たとえば、誰に向けてセールスをするのか、の認識が変わるだけでもビジネス上に大きな変化が起きます。
マーケティング用語ではターゲティング
ターゲティングをこの価値観にひもづけて行うと、それまでとはくらべものにならないほどスムーズなセールスが実現できます。
たとえばこのタイプ7の熱中する人に売ろうとした時には、やっぱりタイプ7用のセールストークが必要ですし、タイプ7用のマーケティングが必要なんだということです。
エニアグラムセールスでは正解も不正解もない
エニアグラムの学術的な研究においては解釈の正誤というものがあるかもしれません。
しかし、実際のセールスの現場においては、正解も不正解もないというふうに考えておく方が、より現実的に応用が利くので、正しいとか間違っているという判断はしないようにしてくださいね。
もっとも大事なことは、価値観は人それぞれ違うということです。
仕事を優先したり、家族を優先したり、まあ、いろんな人がいるわけですね。
「家族が大事」の意味付けの違い
「家族は大事」という言葉ひとつとっても、価値観によって意味付けの仕方が違います。
なぜ大事だと考えるのか、が人によって違うんですね。
たとえば、先日、私が主催するコミュニティの中で一人ひとり聞いてみたんですが、このタイプ7の人に「なぜ家族が大事なのか?」を深掘りして聞いてみると、この熱中する人っていうのはとにかく楽しいことが好きなんですね。
で、その家族と過ごすと楽しい時間が過ごせる。
つまり自分が楽しい気分を味わえる、だから家族が大事。
そういう文脈になります。
でもですね、たとえばこのタイプ2の人だったら助けることが好きなんですね。
人の役に立つのが好きなんですね。
ですから、その家族っていうのはすごく近い人間関係ですから、その家族の役に立っていると思いたい、そういうふうに尽くすということ自体が好き。
このように意味合いが変わってくるわけです。
自分が楽しいから好きなのか、人に尽くすということ自体が好きなのか、そういうふうにですね、微妙にこの「家族が大事、なぜなら・・・」というその理由が、人それぞれ違うということです。
その人その人によって違う価値観が、このエニアグラムでわりときれいに説明がつくんですね。
自分と他人の違いを正しく認識するとセールス力が上がる
価値観の違いを正しく理解すると、自分の解釈が人と同じとは限らないことを、身をもって実感することができます。
人との違いを認めることができれば、ていねいなコミュニケーションを可能にするし、自分自身の気持ちにも余裕が生まれてきます。
その一方で、何かセールスをしようとしても「なんであの人買ってくれないんだろう?」「あの人の考えてることがよくわからない!」というように、相手のせいにしてしまうと一生その人とは、信頼関係築くことはできないわけです。
それじゃダメなので、何が違いなのか、その違いはどういう違いなのかをちゃんと、このタイプ別で理解をしておけば、じゃあこういうアプローチしてみたらどうだろう、と別のアプローチの発想へと広がっていくわけですね。
購入の動機の発想を広げることが超重要
エニアグラムセールスでは、このエニアグラムの9つのタイプに分けて、このアプローチを分けていきます。
ブログでのセールス、メルマガでのセールス、動画でのセールス、リアルのセールスでもこのエニアグラムセールスは使えます。
自分と違うタイプの購入動機はまず自分では思いつかないです。
それくらいタイプによって思考パターンが異なるので、響くアプローチがまったく違うからです。
ですから、自分のタイプのパターンを理解することと、自分以外のタイプのパターンを理解することができれば、セールス力が跳ね上がることになります。
単純計算で9倍ですね。
人間心理を理解すると応用ができる
それから、セールスというのは信頼関係ですから、信頼関係を築かないとセールスできません。
大事なお金を払うときには必ず相手のことを信頼しているからこそ払うものです。
エニアグラムセールスではこのエニアグラムのいろんな価値観の違いを理解することで、信頼関係をより上手に築けるようになります。
エニアグラムセールスでは信頼関係をベースにセールスをする技術を学ぶことができるので、実は応用させると人間関係の改善にもこのエニアグラムセールスのノウハウはとても有効です。
自分自身を信頼するということも信頼関係のひとつ
自分の行動パターンを分析できるようになるので、この目標達成のスキルにも有効に使うことができます。
自分の成功パターンを理解して自信を深めるためにエニアグラムを使うことができるのです。
つまり、自分との付き合いも上手になりますし、他者との付き合いも上手になるということです。
人間関係が上手になれば、セールスは自然と上手くなるということですね。
ですから、そのためにはこの9つのタイプに大きく分かれることと、それぞれの関連性を大まかにつかんでおけばよくて、細かい研究や解釈の議論はあまり気にしなくていいんだということです。
エニアグラムセールスではタイプも決めつけない
エニアグラムではタイプ8、9、1、2、3、4、5、6、7というように、決めつけたような言い方をします。
でもエニアグラムセールスでは、そこまでタイプにこだわる必要もなくて、その傾向が強いと判断すればいいです。
タイプ1的、タイプ2的、そういう感じで、そういう要素が強く出ているねと。
そういうちょっとあいまいな判断にとどめておいて、もしかしたらこうかもしれないと解釈の余地を残しておくということをおすすめします。
エニアグラムをセールスに使うということを考えたらですね。
そういって考えていった方が、この発想がより広がるんですね。
この人はこうだから、もうこれしかない。
この人はこうだから、もう無理。
そういうふうに決めつけるということがなくなるということです。
テクニックに偏るのではなくて、信頼関係に基づくセールスが最強
セールスはつきつめていくと、人間心理や、脳科学、認知学にもつながっていきます。
これらはそうカンタンに解明できるほど単純なものではないわけです。
人間というのは単純なものではなくて、奥深いものだと。
だから一人ひとり、誠心誠意、お客様と付き合っていくというのが、やっぱりビジネスでは一番王道ですし、そういう人が、セールスでは結果が長く出し続けていくことができるわけですね。
こう考えてみると、エニアグラムを最初に世に表したグルジェフの考え方に近くなっていくのかなとも思います。
自分も他人もフラットに見よう
まあ、その辺りはですねそういった細かいことは気にする必要がないので、どういう要素が自分は強いのかなと、まずは自分自身の感じ方を確認していただきたいと思います。
そして、あなたのそのお客様がどういうことを大事にする人なのかな、どういう傾向が強い人なのかなあ、という視点で、お客様のことを考えてみてください。
それからまたあと、家族、友人、職場の仲間もそうですね、
ちょっと考えてみると新しい視点が得られるので、このエニアグラムセールスをこのセールスの現場で使う、ビジネスの現場で使う、あらゆる人間関係で使うということが可能になります。
知識を知るだけではなく、使える知識にできるということです。
もし何か不明な点や、質問などがありましたらお気軽にコメントに残していただけたらと思います。
いろいろな考え方や応用の仕方があるので、やり取りをしてお互いに学びに変えていけたら楽しいですから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント