今回は、仕事のサボり癖を治したいという方向けに、話していきたいと思います。
このサボり癖というのは仕事に限ったわけではありません。
- 何かやろうと思ったけど中断してしまった
- 決めたことややらなければいけないことを中途半端にしてしまった
など、仕事以外にも通用する考え方として、話を進めていきます。
サボり癖の自覚はありますか?
まず、この「サボり癖を治したい」と思った経験は、多くの人が自覚したことがあると思います。
聖人君子などという人は、なかなかいないわけですから、ほとんどの人は仕事のサボり癖を治そうとか、サボって自己嫌悪に陥った経験があると思います。
当然私も、そう思うことがしょっちゅうあります。
まず一つ思うのは、自覚があるだけマシではないかということです。
サボり癖を治したいというのは成長したい。
だけどできないわけです。
これは、自分自身のサボり癖を自覚しているということでもありますし、成長したいという意欲もあるということになります。
では、なぜ治らないのかというと、意志力について知っていくと、その答えが見えてくると思います。
サボり癖は人間の本能の1つ
歴史から見ていくと、人類にはもともと欲があります。
のんびりしたいゆっくりしたいという欲に流されるという人が、サボってしまいます。
その欲をしっかりコントロールして、やらなければならないことに時間とエネルギーを注ぐとこができる人は、サボり癖がないと言えます。
中世ヨーロッパ
サボり癖とは何かを見ていくと、とても面白いのですが、例えば中世ヨーロッパでは、ほとんどの人が農家だったわけです。
伝統的なキリスト教の決まりを守らなければいけないというのは、当然あったわけですが、農家で生まれた人は一生農家なわけです。
頑張ったからといって、生活がすごく変わるという希望が見えるわけでもないんです。
生まれた土地で、今まで自分の先祖が暮らして来たような暮らしを自分もする。
そういう環境ですと、出世欲もありませんし、特に頑張ろうという勤勉さも要求されない時代だったそうです。
19世紀のヨーロッパ
それが19世紀になってくると、工業化が進んでいきます。
そうなってくると、出世欲やもっとお金を稼ぎたいという欲が出てきます。
資本主義は、まさにどうやって効率よくお金を増やしていくかということですよね。
そういう時代になってくると、今まで信じてきた伝統的なキリスト教の教義が通用しなくなってきます。
それだけでは、自分自身の平安を保てない状況が起きてきたわけです。
そんな時代によく、信仰心無くして道徳心を保てるのだろうか、という議論が非常に活発におこなわれていたそうです。
当時の有名人の1人がサミュエル・スマイルズ。
『自助論』という本を書いた方です。
『自助論』は『西国立志編』という名前で、当時日本にも持ち込まれていた本だったと思うのですが、今は『自助論』で検索すると読むことができます。
これが明治時代に福沢諭吉の『学問のすすめ』と同列で、一番読まれていた本と言われています。
明治時代も、今まで徳川幕府のいいなりになっておけば良かった時代から、自分で自分の人生を切り開いていく力を求められる時代に、切り替わったタイミングだったのです。
その頃から意志力について、いろいろな方がいろいろな言い方をしてきました。
20世紀の心理学
1994年に発売された『自制心の喪失』というある心理学者の方が書いた本では、心理学の分析も進んでいって、いろいろなことが明らかにされてきました。
自制心、自己コントロール能力は道徳心とイコールと言っても良いと思いますし、まさにサボり癖をコントロールするのも、自己コントロール能力の一つだと思います。
この自己コントロール能力は、いろいろなところに影響していることが明らかになっています。
社会問題を起こす人は自己コントロール能力が低い
いろいろな社会問題もそうです。
たとえば、離婚率が高い人や、家庭内暴力を起こすような人、犯罪を犯すような人というのは、自分をコントロールする能力が低いという共通点が分かってきているそうです。
そして再犯率が高い人ほど、自己コントロール能力が低いと言われています。
なんとなくというようなレベルではなく、見事に自己コントロール能力と社会問題を起こす人の相関関係が見られると、分かってきました。
仕事ができる人=自己コントロール能力がある人
当然仕事においても、自己コントロール能力の有無によって成果が挙げられるかどうかが決まってしまいます。
仕事でサボり癖がある人よりも、自己コントロールによって真面目に働く人のほうが当然結果を出せるわけです。
学力も自己コントロール能力
さらに、学生の成績というのも、結局のところ自己コントロール能力の有無だそうです。
元々の能力や才能よりも、自己コントロール能力の有無の方がはるかに大きな影響を与えています。
情緒の安定も自己コントロール能力
それから当然、感情の安定ですね。
アルコールなどの依存症もそうですし、うつ病などもそうです。
自分をコントロールできるようになれば、感情を安定できるようになります。
自己コントロール能力を高める方法
自己コントロール能力を、どうやって高めていくかの研究も進んできています。
人間の心理として、自己のコントロールをするためには、こうしたいという意志力を発揮しているわけですが、自己コントロール能力がなぜ必要なのかというと、欲が出てくるからです。
無意識の本能が、人間の欲なのです。
逆に言うと、欲に逆らうために自分をコントロールしなければならない、これが自己コントロール能力なわけです。
それをしようとするときには、意志力を発揮しなければなりません。
意志力で欲を抑えたり、紛らわせたりするわけです。
意志力を発揮すると意志力が消費してしまう
自分の中から出てくる欲に逆らう意志力の有無が、自己コントロール能力になってくるわけなのですが、意志力は消費するものだということが分かってきています。
つまり我慢し続けていくと、意志力が失われていってからっぽになり、我慢ができなくなってしまって欲に流されてしまう、ということが起きてしまいます。
これが人間の心の仕組みで明らかになっています。
なので、何かを我慢をしなければならない状況を、そもそも作らないためにはどうするかを考えていくのが、とても大事になってきます。
ここで、我慢できないのが悪いわけではありません。
そうではなく、意志力を消費させないようにするにはどうしたらいいかを考えてみるといいのだ、ということです。
仕事のサボり癖を治す具体的な方法
今回は仕事のサボり癖を治したいというテーマでした。
話を仕事に戻しますと、仕事をサボりたいというときには、自分のパターンがあるはずです。
たとえば、一仕事終えたあとに気を抜いてサボりたくなる、いつも決まった時間にサボりたくなるなど、自分のパターンがあると思います。
一人一人パターンは違いますので、まずは自分のパターンを分析してみることが最初にやるべきことです。
そして、分析したら、次に、そのパターンを変えてみると良いです。
目標をアウトプットする
もっと具体的な対策でいうと、あなたの目標を周りにアウトプットするということです。
周りと言いましたが、周りの人でもそうですし、紙に書き出すことでも構いません。
ToDoリストを自分で作るだけで、自分のパターンを変えられます。
やるべきことが明確になっているのが分かるだけで、いちいち我慢せずに次の作業にすんなり入っていける効果があります。
ToDoリストのアプリも、スマホなどでたくさんあります。
自分の頭の中になんとなく分かっているだけではなく、紙に書き出して可視化、見える化していくということです。
仕事のサボり癖を治すというときに、今日からすぐできる一番有効な方法が、今日やることを紙に書き出すということではないでしょうか。
サボり癖のデメリットを認識する
それから、周りに流されることのデメリットを認識すると良いのではと思います。
周りに流されたり、その時の自分の感情に流されたりする状態というのは、自己コントロール能力が低い状態です。
先ほどお話したように、社会生活を送る上での問題を起こす原因になりうるんだということです。
犯罪などの社会問題は、起こしたくて起こすという人はいないと思います。
なんですけども、やってしまって自己嫌悪・・・。
もしくは開き直ってどこまでも悪い方向に行ってしまう、などの悪循環に入ってしまいます。
ですから、大きな問題になってしまう前に、問題の目を摘み取ってしまうということが大切です。
周囲の環境を整える
意志力を消費しない環境を作る3つ目として、場に参加するということが挙げられます。
場に参加するとはどういうことかというと、前向きな人が集まる場所に行くことや、パワースポットに行くことなどです。
パワースポットと言っても、例えば自然の景色が豊かなところに行けば、それだけで気持ちは良くなっていくわけです。
こういった環境を自分で整えるということは、とても有効です。
環境の悪いところでなんとか我慢するよりも、そもそも欲望が起きにくい、良い状態が起きやすい環境を作っていくということです。
場に参加する、自分の環境を整えるということが、とても大事になってくると思います。
情報や机周りの整理整頓
それから、整理整頓というのも環境づくりにとても有効だと思います。
自分の場合もそうですが、仕事をサボろうという気持ちが湧いてくるときは、机の周りや情報が整理整頓されていない場合に起きやすいと思います。
ToDoリストの整理整頓は、情報の整理整頓でもあります。
ごちゃごちゃの中から次に何をすべきかを見つけるのは、労力がかかります。
そのときに、意志力を無駄に消費してしまっているわけです。
ですから、情報の整理整頓をするためのToDoリストを作ることで、次にやるべきことが分かりやすく目の前に見えるわけですから、意志力を発揮しなければと思う必要もありません。
そうすると、意志力の消費量がとても少なく、仕事がたくさんできるという状態を作ることができます。
「仕事のサボり癖を治したい!」という気持ちが大事
仕事のサボり癖を治したいと強く思うことが、1番大事なことです。
効率良く仕事をすることで、自分自身も豊かになっていきますし、周りの家族や職場の人たちにも良い影響しかありません。
自分の意志力を無駄に使っていないかということを確認していただいて、そのきっかけにしていただければと思います。
特に、紙に書き出すというのは今すぐにでもできることなので、ぜひやってみていただきたいと思います。
今回は、仕事のサボり癖を治したい!その方法は? ということについて、お話をさせていただきました。
動画の中ではマインドマップを使ってお話していますので、合わせて参考にしてください。
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