いつまで不安を煽るセールスするの?

不安を煽るセールスはたしかに売れます。が、副作用が大きいです。なので、不安を煽って売る行為はやめるべきである。これが私の考えです。

でも、不安を煽るセールスってよく見ますよね。無意識の内に不安を煽ってる人もいるなと思いますし。

あなたは不安を煽るセールスについて、どう思われますか?

典型的なのは、セールスになるといきなり口調が変わる人。そういう人は、たぶんどこかの塾とかコンサルから教わったんでしょうね。こういうふうにセールスをしなさい、と。

また、対面で会うと柔らかい口調なのに、セールスライティングやメルマガの文章がやけに挑発的だったり、刺激的な言葉が多用されていたり。こんな方もいますよね。

そういう人たちは、それで売れてしまったものだから、それが正解と思い込んでいるのだと思います。

「売れるならそれが正解じゃないの?」

と思われたかもしれませんが、私がそうは考えない理由をこれからお話していこうと思います。

目次

そもそもなぜ不安を煽ると売れるのか?

なぜ不安を煽ると売れるのかとういと、私たちの脳みそは不安を煽られると思考が麻痺するからです。

不安で煽る

恐怖を感じる

前頭葉が麻痺する

支配しやすくなる

こんなメカニズムが働くので、不安を煽ると売れるよ、と言われているし、実際そうなのです。心理学的にも間違いではない。だから、そういう売り方を教える人もたくさんいます。

ただ、ですよ。

これだとどう考えても誠実な売り方とは言えませんよね。当然ながら副作用も大きいです。心理テクニックやセールステクニックを本やセミナーなどで学んだ人が、意外に陥りやすい落とし穴かなと思います。

不安を煽ることの副作用

では、不安を煽って売る手法にはどのような副作用があるのか?

それは、本来商品を買う必要がないお客さんにも売れてしまうことです。お客さんの思考が麻痺するので、自分にとって必要かどうかの判断力が低下した状態に陥ってしまうのです。だからこそ判断を間違えて、本来必要ないものまで買ってしまうのです。

以前ブラック企業で名高いリフォーム会社に勤めていたことがあるのですが、そこではまさにそういう売り方をしていました。

屋根裏に入ったり、床下に入ったりして、「家が傷んでいる、このままだと大変なことになる」と家主に不安を煽る売り方をしてたんです。ひどいですよね。

その会社にいるときに、もっとひどい話を聞いたこともあります。あるシロアリ駆除の会社は、床下に入ってシロアリをばらまいて、その写真を見せて不安を煽る。そんな売り方をしていたそうです。

ちなみに、私はそういう売り方は性格的に無理なので、そのリフォーム会社ではまったく売れませんでした。6ヶ月ですぐ辞めました。

でも、なぜそんな会社に入ってしまったかというと、単に世間知らずだったからです。そんな会社があるなんて当時の私には思いもよらなかったんです。

にしても、体験しないと分からないことってありますよね。いや~いい社会勉強になりました。苦笑

販売側にとってのデメリット

これまでお話してきたのは、購入者にとってのデメリットですが、販売者側のデメリットも大きいです。というのも、相手に不要なものを売ってしまうとトラブルになりやすいからです。

商品そのものは非常に質が高いものだったとしても、それが不要な人にとってはゴミ同然なんですよ。

だから、販売者としてはいい商品を売ってる自負がある一方で、購入者の心情としては「買わなきゃよかった」と後悔する羽目になる。このようなミスマッチを起こしやすいのです。

だからこそ、消費者保護の観点から、多くのWeb広告ポリシーでは「不安を煽るのはNG」という規約が設けられているのです。

では、私が考える正しいセールスとは?

私が考える正しいセールスとは、必要な人に売る、という売り方です。この売り方であれば、不安を煽る必要はありません。

感情を揺さぶるまでもなく、理性的に話をするだけで、お客さんが納得して買ってくれます。

「理性で判断して、納得して買ってもらう」

これが本来あるべき販売者としての姿かなと思うわけです。自分としてもストレスなく売れますし、お客さんが気持ちよく買ってくれて、買ってくれた後も「ありがとう」と言ってもらえる売り方です。

販売者側も購入者側もハッピーになれる。

これが正しいセールスだと思います。

でも、お客さんの前頭葉を麻痺させて売る行為は、この真逆なんですよね。

「理性を失わせて、判断力を低下させて、売りつける」

これが不安を煽って売っている人が行っている販売行為の実態です。こういう売り方をしてるとトラブルを生みやすいですし、トラブルにならなくてもお客さんに後悔させてしまう可能性が高いですよね。

だからこそ、理性で売るべきだし、理性で話が通じる人にだけ売るべきだと、私は考えるわけです。

売る相手をしっかりと選ばないといけないのです。

そもそも人としてどうか問題

そもそも、不安を煽って売る人は、お客さんのことを金づるとしか見ていないと言わざるを得ません。人としての敬意が感じられませんから。要するに、そういう売り方は心の成熟度の低い人がすることなのかな、と思います。

でも、ものを買うときに限らずですが、自分が納得してないことを押し付けられたら、誰だって嫌な気持ちになりますよね。だから、やっぱり人は何かを決める時は自分で決めないといけないんだと思います。

だから、セールスをする際も、むやみに欲しがらせたりするのはNGなのです。あくまでも主体はお客さんです。お客さんに納得して購入を決めてもらうように売るべきなのです。

そうすればいいお客さんが買ってくれるし、購入後もいい関係性を築くことができます。

納得して買いたいと思ってくれるなら売るし、納得して買ってもらえないなら売らない。この姿勢が重要かなと思います。

ちなみに、お客さんと話していて、私の話をちゃんと聞こうとしていないなと感じることもあります。そういう時は、私は無理に説得しようとしません。私から見たら遠回りしようとしているように見えたとしても、それでもお客さんの選択を私は尊重することにしています。

なぜならそれがその人に対する敬意だと考えるからです。

そして、結果的に、遠回りに見えても、その人にとっての最短ルートになることが多いのです。

自分の人生の舵は自分で握ろう

今の時代、知識だけいくら蓄えたとしてもあまり意味がありません。知識だけならいくらでも無料で手に入ります。大事なのは、主体性を持って自分で決断すること。そして、主体性がある人と一緒に仕事をすることです。

お客さんを選ぶ基準も、主体性がある人かどうかで決めると間違いありません。

主体性がある人との付き合いを重ねていくと、仕事を通して新しいものが生み出せるし、お互いに成長することができます。なので、そういう人であれば、たとえ素人でも成果が出るのも早いのです。

自分自身でも常に心がけていきたいし、そのような人との関係をこれからも築いていきたいと思います。

この記事を書いた人

作家/マーケター

人生の試練に打ちのめされた20代を経て、自分らしさを軸にした文章術を武器に独立。人材開発とマーケの2軸で活動中。人の強みや才能を引き出す独自のカウンセリング技術を開発。千葉生まれ、広島育ち、大分、熊本、静岡、福岡、新潟を経て現在は東京在住。

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