コト売りとモノ売りの違いとは?事例で詳しく解説しました。

自分がお金さえ稼げればいい、というスタンスで商売している人は、ただ売り込むだけのウザい人になってしまいます。

同じような人は自分以外にも山ほどいるので、ライバルもうじゃうじゃいます。

それがモノ売りをする人です。

家電量販店でパソコンコーナーにいると、こちらから何も聞かないのにこのパソコンはああでこうでとアピールしてくる人を思い出すと分かりやすいでしょう。

「そんな機能まで求めていないんだけど・・・」というこちら側の思いを聞かずに、いくらそのパソコンの良さを語られても、ウザいだけです。

売る、ということは、価値を提供する、ということです。

あなたの商売は、お客様にどんな価値を提供しているのか?

ということをこの機会にぜひ考えてみてください。

目次

コト売りとモノ売り

コト売りとはデキゴトを売るということであり、モノ売りとはモノを売るということです。

この「コト」というのがなかなか分かりにくいかなと思います。

これはモノを売ってはいけない、ということではないです。

モノ売りでも「コト」で売ることはできます。

むしろ、それを目指さなければいけない。

もしあなたが何かを売っているのであれば、ただモノを売るだけではなく「コト」で売っているか、ということをぜひ考えてみてください。

この違いが分かると、対面でのセールストークでも、ブログやメルマガのセールスライティングでも、売り方がずいぶんと変わってしまいます。

いくつかの角度から、コト売りとモノ売りの違いを説明していきます。

メリットとベネフィット

もしあなたがセールスや、コピーライティングの知識を勉強したなら、メリットとベネフィットの違いはご存じかと思います。

メリットというのは、その商品やサービスを手に入れることでどんなメリットがあるのか、ということです。

この洗濯機を買えば、こんなに楽に服がキレイになるし、シワにもなりにくいし、しっかりと汚れも落ちるんですよ!

という感じ。

一方でベネフィットというのは、そのメリットを手に入れることで、得られる真のメリットのことです。

たとえば、家事の時短ができるので趣味に時間が使えるようになります、しっかりと汚れも落ちるので家族の笑顔と健康を守ることができます、など。

このメリットとベネフィットの違いが分かっていないと、売り方が大きく変わってしまいます。

2種類の価値を理解しよう

2種類の価値とは、機能的価値と情緒的価値の2種類です。

この2種類の価値は、メリットとベネフィットを別の角度から説明したものになります。

洗濯機がいかに優れた機能があるのか。

これが機能的価値です。

ライバルの洗濯機と比べて、どこがどう優れているのか、でしか差別化することはできません。

よく家電製品には、使ったこともないボタンがリモコンに付いてたりします。

機能的価値を高めようとして、マニアックな機能がどんどん追加されていくわけです。

その結果、販売価格も高くなったりして、お客さんのためになってるかどうかすら分からなくなっていきます。

しかし、情緒的価値というのはどのような感情が満たされるか、という側面の価値になります。

つまり「買ってよかった!」と思えるかどうか。

「売ってくれてありがとう!」と感謝されるかどうか。

思わず、知り合いに言いたくなるかどうか。

などが判断基準になるかと思います。

ほんとにいい体験、おもしろい体験、ありがたい体験をしたら、「いや~実は最近こんなことがあってさ!」と伝えたくなるものです。

直接だったりSNSだったりします。

リアルでもWebでも、そうやって感情が動いた体験はシェアされて広がり、口コミにつながっていきます。

情緒的価値に訴求することの重要性を理解していただけたでしょうか?

相手が何を手に入れたいと思っているのか

ここで大事なのは、お客さんの本音を聞こうとする、ということです。

たとえば、洗濯機を買いたいと言われたときに、機能の話をするのではなくて、なぜ洗濯機をほしいと思っているのか、から聞くわけです。

もしかしたら、一人暮らしを始めるからかもしれません。

もしかしたら、二層式洗濯機がイヤになったからかもしれません。

もしかしたら、ドラム式洗濯機がイヤになったからかもしれません。

なぜその商品やサービスをほしいと思っているのか。

その背景は何なのか。

そこを把握しない限り、的はずれな提案をしてしまうことになります。

一生懸命メリットを話してくれるけど、なんか言葉が響かないな、気持ちが動かないな、というイタイ売り方をしてしまうことになるわけです。

ドリルがほしいのではない、穴がほしいのだ

これはマーケティングでは有名なたとえ話です。

ドリルがほしいお客さんというのは、ドリルを手に入れたいわけではないのです。

穴を空けたいのです。

そのためにドリルが必要だと思うから、ドリルを買いたいと思っているわけです。

では、何のための穴なのか。

そこまで把握すると、どのようなドリルが必要なのかの提案が、相手に響く形でできるようになります。

どんな商品やサービスでも同じことが言えます。

たとえば、

ブログがほしいのではない、情報を伝えられる自分になりたいのだ

家がほしいのではない、安心がほしいのだ

車がほしいのではない、便利さがほしいのだ

ベンツがほしいのではない、優雅な時間がほしいのだ

などですね。

あなたが売っている商品やサービスは、相手にどのような価値を提供しているのでしょうか?

この質問をもう一度、ここで考えてみてください。

モノ売りとコト売りの最大の違い

モノ売りの域を出ることができない人は、要するに、売り込むことばかり考えているのだと思います。

どうすれば相手に売り込むことができるのか。

どうすれば相手にYesと言わせることができるのか。

自分都合の考え方だと思うのです。

そうなると、お客さんの気持ちを考えることを怠りますし、わざわざ時間を使ってお客さんの話を聞こうとすらしなくなり、きっとこうだろう、という独りよがりな思い込みで話を進めてしまうことになります。

ですから、モノは売ってもいいわけですが、そのモノを手に入れることで、あなたが稼げるというコトだけでなく、お客さんにとってどんないいコトがあるのか、ということを相手の目線で考えて見る必要があるのです。

これが私が繰り返し伝えているユーザー目線です。

物販など有形商材を売る場合も、コンサルや情報などの無形商材を売る場合も、すべて発想は同じである必要があります。

その商売をすることがあなたの人生にどんな関係がありますか?

コト売りの発想とは、相手の気持ちを考える、という発想のことです。

どういう気持ちになるのか、どういう感情になるのか。

ここに焦点が当たっているのです。

ここで大事なのは、欲しい気持ち、手に入れたい感情は、人によって違うということです。

まずは自分自身のことから考えてみると分かりやすいです。

あなたは今のビジネスを何のためにやってるのか?

誰にどのような価値を届けたくてやっているのか?

ただ自分さえお金を稼げたらいいのか、というとそうではないはずです。

お客さんの笑顔が見たいから、従業員の生活を守りたいから、最先端のサービスを開発した喜びを得たいから、ライバルに打ち勝った喜びを得たいから、などいろんなモチベーションでビジネスをしているはずです。

つまり、お金を稼ぐというのは手段であって、目的ではないのです。

これも、メリットとベネフィットの関係にすごく似ていることが分かると思います。

要するに、何のために仕事をするのか?

この根底にあるのが経営理念であったり、価値観と言われる部分ですが、要するに人生につながっていきます。

あなたはどのような人生を過ごしたくて、その仕事を選んだのですか?そして、いまもその仕事をしているのですか?

この答えを言語化している人は、コト売りが自然とできるようになります。

仕事と人生をつなげて一貫性を持たせると強いブランディングになる

仕事と人生をつなげると強力な一貫性が生まれます。

ぶれない判断軸ができるので、ビジネスに説得力が生まれるのです。

そうなると、がんばってセールスしようとせずとも、相手のほうから、「売ってくれない?」と言われるようになり、「売ってくれてありがとう!」と言われるようになり、「どの商品から買ったらいいか教えて!」と言われるようになります。

これがブランディングです。

要するに、仕事の延長線上には人生があるわけです。

自分の生き様が仕事にも出ているし、交友関係にも出ているし、家族にも出ているし、趣味にも出ているわけです。

軸にはすべて「自分」があるので「自分の人生」を軸にすることがもっとも根本的な軸となるわけです。

中小企業の社長であれば、会社の理念と社長の軸がほぼイコールになると思います。

ネットビジネスだったら当たり前の知識

実はここまで話したことは、ネットビジネスだったら当たり前の常識でもあります。

ですから、すでに知ってる方も多いかもしれません。

ただ、大事なのは知ってることではなく、できていること、です。

知識として知っていても、実践できていなければその知識は何の役にも立ちませんから、実践に活かしてこそ意味があります。

ともかくネットビジネスを取り入れている人にとっては、当たり前の知識ではあるのですが、リアルビジネス一本の人にとっては、寝耳に水、という話かもしれません。

実際に、ただ稼ぎやすいからその仕事をしている、稼ぐためにはその仕事しかないからその仕事をしている、という人も多いです。

一時的にはしのげるかもしれませんが、最初にお話したように、そんな仕事の姿勢だと、遅かれ早かれライバルに抜かれてしまいますし、時代の変化にも対応できなくなってしまいます。

何のためにいまの仕事をがんばってるんだっけ・・・?

何のために生きてるんだっけ・・・?

ここを見失った人ほど哀れな人生を過ごす人はいないと思います。

根っこがズレると最初はほんのちょっとのわずかな違いだったのが、どんどん大きな違いとなり、いずれ取り戻しがきかないほどの違いになっていきます。

一度きりの人生ですから、後悔がないように、日々目的意識を持って、楽しく主体的に仕事に取り組んでいきたいものです。

ブログやメルマガの情報発信はオススメ

目的意識というのは一度言語化したからと言って終わり、というものではありません。

経験を重ねると、また新しい世界が見えてきます。

そうすると、そこで微調整をかける必要が出てきます。

自分自身をどんどんアップデートしていく感覚です。

そのときに、しっかりと言葉でアウトプットする習慣があると、自分の脳みそを言葉にして出すことができ、客観的に自分の状態を観察できるようになります。

いつまで経っても不完全なまま、情報発信を続けること。

これが、もっとも満足度が高い仕事を続ける秘訣であり、人生の秘訣でもあるのではないかと思います。

なので、経営者であっても、サラリーマンであっても、主婦であっても、学生であっても、私はブログやメルマガを使った情報発信をオススメしています。

すでにビジネスをしているのであれば、狭い意味でのモノ売りを脱却して、コト売りとしての自分を作ってみてください。

私もまだまだ不完全な自分ではありますが、日々のアウトプットを通して、日々の成長を楽しみながら情報発信をしていきたいと思います。

この記事を書いた人

作家/マーケター

人生の試練に打ちのめされた20代を経て、自分らしさを軸にした文章術を武器に独立。人材開発とマーケの2軸で活動中。人の強みや才能を引き出す独自のカウンセリング技術を開発。千葉生まれ、広島育ち、大分、熊本、静岡、福岡、新潟を経て現在は東京在住。

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