脳は楽をしたがる!?本能を上手く使いこなす方法

今回は、脳は楽をしたがるということについて、話をしていきたいと思います。

脳の仕組みをしっかり知っておくことは非常に大事で、知らないと自分でうまくコントロールできません。

長所の出し方も分からないし、短所を直すこともできなくなります。

さらに、他の人からすごく洗脳されやすい状態になってしまいます。

例えば、他の人からこうした方が良いよと言われたら、何も考えずにフラフラついて行ってしまう、などですね。

要は、自分の行動を自分で決められず、他人に操作されてしまうような人生になってしまうということです。

当然それだと、仕事もうまくいかないですし、恋愛だってうまくいかないですし、人間関係も非常に難しくなってしまいます。

楽をしようとしたら、そのツケがあることを知っておく必要があるわけです。

今回は、脳は楽をしたがるという性質について、理解していただきたいと思います。

目次

脳が楽をしたがる時の反応とは?

人間の脳は、目にしたものや耳から入ってきた情報の処理をしています。

その入り口になるのが、五感です。

触覚、味覚、聴覚、視覚、嗅覚の五感は、外からくる情報を自分の中で処理するためのセンサーです。

そして、この五感を通して得た情報を、脳は学習してパターン化しようとします。

そうすると、また次同じようなことが起きたときに、きっとこうだろうと、過去の経験をもとにパターンを作っていくわけです。

何回か繰り返していく内に、完全に自動的に作用していくようになって、楽をしていくんですね。

それが、習慣というものです。

意識的に考えなくても動いている状態が、習慣です。

  1. いろいろな経験をする
  2. 外部から得た情報を自分の中でパターン化、自動化して認識する
  3. 習慣として定着する

これは全て、脳が楽をしたがっている作用です。

「なぜ?」という質問をしなくなる

楽をしたがっているという分かりやすい事例に「なぜ」という質問があります。

子供の頃は、なぜなぜ攻撃をしますよね。

わからないことがあれば、すぐに「何で?何で?」と聞きます。

それがだんだん大人になるにつれて、「なぜ」という疑問がなくなっていきます。

なぜかというと、今までに経験したことをパターン化していることで自動的に、無意識に処理するようになっているからです。

これが、子供の頃は「なぜ?なぜ?」とよく言いますが、大人になると言わなくなっていく理由です。

言葉にも疑問を持たなくなる

例えば、目玉焼き、という言葉があります。

目玉焼き、と聞いたときに、子供が初めて聞いた時には「なんで卵を焼いた食べ物を目玉焼きというの?」という疑問が出てきます。

ですが、大人になってくると目玉焼きは卵を焼いた料理と、自分の中の当たり前になっています。

生まれてから今までの経験によって作られた当たり前が、「なぜ」という質問をなくしてしまっているのですね。

ちなみに目玉焼きは、海外の人からすると「なんてグロテスクな例え方をするんだ」と言われるそうです。

日本では、目玉焼きと言われる環境で育っているので、何度も言われるうちに当たり前になっていき、「なぜ?」と思わなくなっていきます。

しかし、子供や海外の人からすると「何で目玉焼きと言うんだ」となります。

このように、今までに考えたことがないこと、自分の中にインプットしたことがないもの、五感で処理をしたことがないものに触れたときは、「なぜ」という疑問が生まれてきます。

経済社会は楽をしたがる欲求によって成り立っている

今の経済社会の世の中は、脳は楽をしたがるという本能から成り立っていると言えます。

世の中で売れている商品やサービスは、人を楽にするものが売れていますよね。

たとえば、東京から大阪まで移動する場合、新幹線での移動はとても楽にできます。

その楽を手に入れるために、お金を払ってでも手に入れたいと思うわけです。

楽を求めている本能、そして欲望が、この経済社会を成り立たせているという側面があるわけですね。

爬虫類脳

それから、本能の部分は爬虫類脳の部分が動いていると言われています。

生き延びるための生存本能などは、人間だけにあるものではありません。

どんな生物にも備わっているものです。

太古の昔からある脳の部分、爬虫類の時代からある脳の部分。

この生存本能がないと生きていけないので、命を守るための本能が脳の一番根っこの部分にあるわけです。

ホメオスタシス

人はそもそも変化をすごく嫌う生き物であることが分かっています。

変化をするのは負担です。

脳は楽をしたがるので、変化をすごく嫌うのです。

これは元々、体の機能としてもホメオスタシスと言って、恒常性維持機能というものが備わっています。

元通りになろうとする働きのことで、例えば、風邪をひいて熱が出たとします。

そうすると、たくさん汗をかいて熱を下げようとしたり、体の中に入ってきたウィルスを出して元通りの体に戻そうとするわけです。

このような恒常性維持機能が、心の分野にも作用しています。

元々、今までの行動のパターン、自分の習慣の中に安住することはすごく楽なことです。

考えなくても当たり前のようにできることですから、すごく楽なのです。

その楽なところに居続けようとするのが、本能の一つです。

これを、コンフォートゾーンと言います。

しかし、そこに居続けてしまう限りパターンが変わらないので、成功している人は同じように成功していきますし、失敗する人は同じように失敗をし続けてしまうのです。

自分の脳にできあがったパターンが、もし良いパターンであれば、それは素晴らしいことですから、大事にすべきことです。

しかし、自分の中に良くないパターン、習慣がある場合は、その居心地の良い場所にいてしまうと同じ失敗を繰り返してしまうのです。

いずれにしましても、今までと同じ場所に居続けようとして、脳が楽をしたがるという本能がある、ということを理解してください。

そういうことを知っていないと、いつまでたっても他の人の言いなりになっている人生にしかならないからです。

楽をしたがる本能をどうやって利用すればいいか?

そもそも、なぜこの楽をしたがる本能がDNAに刷り込まれているのか、というと、ちゃんとした理由があります。

それは、五感を通じて様々な情報が脳に入ってきますが、それを一つずつ意識的に処理をしていると、脳はパンクすると言われているからです。

情報量が圧倒的に多すぎるので処理しきれないんですね。

パターン化、自動化して、無意識の内に処理するようにしないと、自分自身が生き延びられないのだそうです。

つまり、自分が生き延びていくために必要な生存本能なんですね。

ただし、本能に流されてもいいのか?

脳は楽をしたがる性質がある。

それは本能である。

しかし、本能に流される人生で良いのか。

・・・いいわけないですよね。

ではこの本能とどのように向き合えばいいのか、考えていきましょう。

本能を理解すべき理由とは?

この本能は、生き延びるために必要なもので、無意識の内に自動的に反応する。

まず大事なことはこの本能の反応を理解するということです。

なぜなら、知らないうちに本能に働きかけられてものを売り込まれたり、勧誘されたり、欲望を刺激されてものを買わされたりする、といったことが起きうるからです。

これは本能なので、何かを人から買わされているという実感はありません。

「これは自分にとって必要だ!」と自分で考えて自分で選んで買う、という行動をしていきます。

しかし、本当の意味で自分で決めているかというと、そうではないのです。

上手なマーケティングを仕掛けた人から、いつのまにかそう思わされて自然と買ってしまうのです。

本能の部分は、ものすごく強力に行動に影響してきます。

そのため、知っていないとコントロールできないで、振り回されてしまうのです。

自分で自分の行動に気付くことが大事

ですから、他人に振り回されないために、まずは自分で認識することが大切です。

本能があることを知る。

そして、その本能を無意識ではなく意識してみる。

そうすると、初めて気付きが生まれます。

自分はこういうパターンや習慣がある、本能に流されていると気づいたときに初めて、そのままで良いのかどうかを自分で考えられるようになるのです。

それが、今までと違う行動を選択する、最初のきっかけになります。

でも、もし気付きが得られないと、いつまでたっても同じ行動パターンから抜け出すことはできません。

気付きを得るための視点として、脳は楽をしたがることを知っておく必要があるのです。

そして、行動を選択する

意識をしてきっかけを得たら、自分でどういう方向に進むか選択しましょう。

今の楽のまま、居心地のいい場所を選択して今までと変わらない人生を選ぶことも、一つの選択かもしれません。

今までの自分が作ってきたパターンや習慣が良いものであれば、横ばいといっても成果を出し続けることが可能です。

しかし、もし、何か知らないうちにものを買ってしまう、思わず買ったけどあとから考えてみると役に立たなかった・・・。

など、一時の感情に流されて何となくものを買ってしまうような行動をしているのであれば、その習慣は非常に危険だと言えます。

もし心当たりがあるのであれば

  • 今までの自分のパターンに流されて良いのか
  • 自分の当たり前に流されて良いのか

こういったことをぜひ考えてみていただきたいと思います。

 

この動画ではマインドマップを使ってお話していきますので、合わせて参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

作家/マーケター

人生の試練に打ちのめされた20代を経て、自分らしさを軸にした文章術を武器に独立。人材開発とマーケの2軸で活動中。人の強みや才能を引き出す独自のカウンセリング技術を開発。千葉生まれ、広島育ち、大分、熊本、静岡、福岡、新潟を経て現在は東京在住。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私は脳に興味があって勉強をしているものです。
    1点教えていただきたいことがあり、コメントをさせていただきました。
    記事を拝見させていただいて、「脳は楽をしたがる」という言葉が多々出てきていると思いますが、「脳が楽をしたがる」という根拠となる論文をご存じでしたら教えていただけますと幸いです。脳の仕組みをしっかり知っておくことは非常に大事とし冒頭で言われていたので、脳についてお詳しいのかなと思いましてお聞き致しました。

    • コメントありがとうございます。
      私は脳科学の専門家ではないので、論文は読んでいないのですが、脳外科の先生が書かれた本や、脳の研究者が書かれた本を意識して読むようにしています。
      理由は、マーケティングに活かせる知識だからです。
      この記事についても、マーケティングに大いに関わると思ったので、私見をまとめた次第です。

      論文をお探しであれば、論文検索をすることをおすすめします。
      「論文検索」とググると便利なツールが見つかります。

      どうぞよろしくお願いいたします。

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